第3章 萌葱-moegi- scene2
「ね…智…」
「ん…?なに…?」
登りきらない快感をもどかしく思いながらも、されるがままになっている俺の耳元に囁いた。
「ここ、前よりも解れやすくなったね…」
「え…?」
ぐいっと雅紀の塊がまた、押し付けられた。
「身体が…俺に合わせて、変わったのかな?」
嬉しそうに雅紀は囁き続ける。
「俺と…愛のあるセックスしてたから、変わったのかな?」
「…うん…そうだよ、きっと…」
「嬉しい」
「うん…うん…」
「智と一緒に…気持ちよくなれて嬉しい」
ああ…雅紀…
「俺も、嬉しい…一緒に、気持ちよくなれて嬉しい…」
雅紀に愛されて俺は…変わったよ
快感をただ得るためだけの作業だったセックスってもんが、こんなに二人の気持ちを繋ぐ大事なものだったなんて…
俺は知らなかった。
それを教えてくれたのは、雅紀だよ…
「雅紀に愛されて、嬉しい」
身体を引き寄せてぎゅっと抱きしめた。
肩の痣に唇を這わせると、雅紀から甘い吐息が聞こえた。
「生きてて…良かった…」
あの時…死のうかとも思った。
あんなことされた自分を責めた。
だけど、時間が経って…
雅紀に愛されてるとわかった時、救われた気がしたんだ。
こんな俺でも、愛してくれる人が居るって…