第3章 萌葱-moegi- scene2
ちょっと太めの生パスタにソースを絡めて…
お肉もたくさん載せちゃおう。
もりもりになったパスタをそっと口に放り込む。
「んまあああ!」
「んまーいっ!」
雅紀を目を合わせて微笑んだ。
「手間暇かけただけあるね」
「うんっ…大変だったけど、本当に美味しいねえ…」
こんな美味しいミートソース食べたことなかった。
お肉いーっぱい入ってるし、お野菜の甘みがこんなに濃厚に感じるなんて…
「あのウスターソースが効いたのかな?」
「凄いねえ…隠し味って…むふ…」
あれだけ時間を掛けて作ったのに、食べたらあっという間だった。
「むはー!美味しかったああ…」
雅紀は子供みたいに口の周りにソース付けて笑ってる。
「ふふ…」
顔を寄せて、雅紀の口の周りのソースを舐め取った。
「たくさん付いてたよ?」
「ありがとう…」
雅紀も俺のお口の周りを丁寧に舐めてくれた。
「おいし…智…」
「雅紀も、美味しかったよ…」
ふふっと二人で笑いあって、立ち上がった。
台所にお皿を持っていくと、食洗機に入れて。
お鍋に残ったミートソースは粗熱が取れてたから、ジップロックに入れて冷凍庫へ放り込んだ。
「便利な世の中だねえ…」
「智、じじいみたいだからやめな?」