第3章 萌葱-moegi- scene2
笑顔の雅紀に、ぎゅううって抱きしめられた。
「大好きだよ…」
「うん…」
あったかい…雅紀の腕の中は、あったかい…
「ね、晩御飯どうする?」
「あ、買い物行ってないや」
「なんか作ろうか。一緒に」
「えっ…俺が作るよ。なんでもみじん切りでいいなら…」
「あ、じゃあ、ミートソース作ろうか!」
「?」
「ミートソースなら、みじん切りし放題だよ!」
ネットで作り方調べてみたら、雅紀の言うとおりだった。
「わーすごおい」
「じゃあこれ作ろう!」
早速買い物に出かけた。
お野菜と合いびき肉を買って、生パスタも買ってきた。
急いで家に戻ると、さっそくみじん切り。
人参・玉ねぎ・ピーマン・セロリ・にんにくをひたすらみじん切り。
雅紀は隣でトマトをすりおろしてる。
「どうしてすりおろすの?」
「これだと、皮が自然に取れるの。細かくなるし」
たくさん買ってきたトマトが、どんどんすりおろされていく。
「智はどう?」
「んふふ…見てこれ」
だいぶ細かくできた。
「おお、やっぱみじん切り好きパねえな」
「むふ」
材料が準備できたら、大きめの鍋で野菜から炒める。
「おいしくなあれ♪おいしくなあれ♪」
二人で歌いながら、交代して玉ねぎが飴色になるまで炒めた。