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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第3章 萌葱-moegi- scene2


「智…寂しかった?」
「ん…」
「ごめんね…俺、最近忙しくて全然会えなかったもんね…」
「そんな…しょうがないもん…」

ふふっと雅紀は笑って身体を離した。

「あの鍵…これからもずっと持っててくれる?」
「えっ…いいの?」
「もちろん!」

雅紀は寂しそうに笑って、俺の髪を撫でた。

「このままじゃ…俺、振られちゃうからさ…」
「なに言ってんの…?」
「だって…」

頬に当てられた手が、じっとりと熱くなった。
そのまま親指が俺の唇を辿った。

「智はモテるんだからさ…俺なんかいなくても…」
「ばかっ…俺は…」
「うん…わかってる…」

ぎゅうっと雅紀はまた俺を抱きしめた。

「わかってるんだけど…時々、ね…不安になる…」
「雅紀…」

なんでだろう

こんなに近くにいるのに。
こんなに温かいのに。

なぜ、人は不安になるんだろう…

「俺だって…雅紀がモテるから、心配なんだよ?」
「智…」
「雅紀から俺を好きになってくれたけど…俺だって、雅紀のこと…大好きなんだよ…?」

こんなに俺のこと愛してくれる人…
他にはいないよ…

「雅紀が俺のこと嫌いになっても…俺は…」
「智っ…」

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