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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第3章 萌葱-moegi- scene2


それからニノと何を喋ったのか思い出せない。

雅紀のマンションに鍵を使って入ったら、電気をつけることも忘れて突っ立ってた。

あのことは…雅紀と付き合う前に、自分でちゃんと昇華したつもりだった。
だけど余計な波風を立てたくなかったから、皆には隠しておこうって。
雅紀とそう話し合ったんだ。

だから必死に隠してきたのに…

そう、だよね…

雅紀って、ダダ漏れだったもんね。
こんな鈍い俺がわかるくらいだったんだもん。
あんなに俺のこと好きで…好きで居てくれたから。
だから俺も…

「智?」

急にリビングが明るくなった。

「なにしてんの?電気もつけないで…」
「あ…おかえり…雅紀…」

リビングの入り口に雅紀が立ってた。
その姿を見ただけで、なんだか泣きそうになった。

「智…?どうしたの?」
「なん…でもない…」

駆け寄って、雅紀にぎゅうっと抱きついた。
安心できる…場所…

俺の居場所、ここしかないのに…

「お酒くさい…」
「ごめん…近所で飲んでた」
「そっか…お待たせしてごめんね?」
「ううん…大丈夫…」

足元が崩れていくような不安は、どこからくるんだろう。

まだ何も起こってないのに…何故か嫌な予感は拭えなかった。

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