第3章 萌葱-moegi- scene2
「そういえば相葉さん、この辺だったよね、家」
「えっ…」
ここで雅紀の名前が出てくるとは思っていなかったから、心臓が飛び出そうになった。
「しっ…しらな…」
「え?嘘。知ってるでしょ?」
「なんで…」
ニノは不思議そうな顔をして俺を見た。
「だって、付き合ってんでしょ?」
「はあっ!?」
「とぼけんの?」
「えっ…あっ…」
「ばかじゃね。バレバレだよ?あんたら…」
がびーん
あんなに必死に隠してたのに…
「あー…必死で隠してたつもりだろうけどさ…結構みんな知ってるよ?」
「えっ…そ、なの?」
「流石に事務所外にはバレてないけど…うちの連中みんな知ってると思うよ?」
「うそ…」
じゃあ…あいつも…
知ってるってこと?
「大野さん?どうしたの?」
「あ…」
「顔色悪いよ?」
「いや…なんでもない…」
だって…なにも言ってこなかった
だから知らないと思ってたのに
「ちょっと…そんなにショックだった?」
「え?」
「皆に知られてるってこと…」
「あ…いや、うん…」
「いつまでも隠しておけるものじゃないでしょ?」
「そりゃそうだけど…」
「ダダ漏れなんだもん、あんたたち…」
そっか…皆、知ってたんだ…