第3章 萌葱-moegi- scene2
「じゃあ大野さんお疲れ様です」
事務所の送迎車で自分ちの下に付けてもらうと、マネージャーから声が掛かった。
「うん。おつかれ。明日は何時だっけ?」
「明日はおやすみですよ」
「あ、そうだっけ」
「もう、しっかりしてくださいよお…」
「ごめん」
明後日の迎えの時間を確認して、それをスマホのメモに打ち込んで車を降りようとしたら、呼び止められた。
「これ、預かってますんで」
「え?なに?」
封筒だった。
「さあ。相葉さんが大野さんに帰り際に渡してくれって。預かりました」
「相葉ちゃんが…?」
受け取ると、中になんかカードみたいなものが入っていた。
「わかった。ありがとうね」
「はい、じゃあ明後日」
「うん、お疲れ~」
車から降りると、すぐにマンションに駆け込んだ。
急いで部屋に帰って、玄関先で封筒を開けた。
「なにこれ…」
なにかの…カード…
なんだろ?
そう思ってたらスマホが鳴った。
ポケットから取り出してみたら、ラインが入ってた。
「あ、雅紀からだ」
”クイズそれはなんでしょ~か?”
「ん?」
”それは鍵です”
「えっ」
”どこの鍵だか、わかるよね?”