第4章 知りたい
ジョエルは泣きそうになるのを堪えた。
プレイラにとっては息を吸うように何てこと無いことでも、ジョエルには非常に難しいことがたくさんある。
プレイラのようになりたいとジョエルはいつも思っているのに。
「ジョエル…あなたには私にはない立派な武器があるのよ? それさえあれば敵なしよ」
「プレイラにない…?」
「ええ」
「それは一体何なの?」
「それは…これよ!!」
ガバッ!とプレイラが手を伸ばした先は。
「きゃっ…! な、何をするの…?!」
「うん、やっぱりサイズといい柔らかさといい、最高だと思うわ」
「ちょ、ちょっと、プレイラやめて…!」
もにゅもにゅ、とプレイラがジョエルの胸を鷲づかみにしていた。
「とってもいい眺めね…羨ましいわぁ」
「ぷ、プレイラ! どこ見てるの…?!」
胸を寄せて上げられたことによってさらに深くなる谷間をガン見され、ジョエルは首筋まで真っ赤になる。
「お、おやめになって…!」
うるる、と涙がにじみかけたのに気づいてプレイラがようやく胸から手を離す。
「ひ、酷いわ…」
「その胸は大きな武器よ。だって…ファンドレイは大きな胸が好きだもの」
「…え……」
「だから、大丈夫よ」
うふふ、と満面の笑みを浮かべるプレイラに、ジョエルは言いたかった。
(そんなこと、知りたくなかったわ……)
と。
しかし、気持ちを口にすることはやっぱりできなかった。