第17章 恋は盲目
登り詰めそうになって太腿でぎゅっと強くファンドレイの頬を挟めば小休止が与えられ、ジョエルは息も絶え絶え書架に縋り付く。
「はっ…ふ…ぅっ…んっ…」
振り切れないもどかしさと羞恥心、そして誰かに見つかるのではないかという緊張感と不安感がごちゃまぜになる。
膝ががくがくと震えて崩れ落ちてしまいたいのにファンドレイがジョエルの片足を肩に掛けるから座り込むこともできなくなる。
「あっ……もっ…おね、が…っ…」
くねくねと腰が前後に揺れる。
ファンドレイの頭をぐっと押さえつけて、体自ら頂点を目指しだす。
(こんな、はしたないこと…でも、やめられない…っもっと…もっと…っ)
にゅるにゅると中をかき混ぜていた指の動きが早くなり、秘芽とその周りは舌がねっとりと舐め上げる。
そして小刻みに連続して秘芽をちりちり吸われて上り詰めていった。
ちりちり、ちゅくちゅく、ぢゅっ。
「ひっ、んっ………っあぁっ……!」
脚はもちろん、腰までもがガクガクと跳ねる。
ハッハッと荒く息をつく間にも余韻に襲われた。
ドロワーズが引き上げられて、ドレスの裾の中からファンドレイが顔を出す。
恨めしい気持ちで彼を睨んでみるものの、その瞳の奥に隠し切れない情欲を感じてしまった。
今すぐに抱かれたいと思ってしまうような熱い視線に負けてジョエルは目を反らす。
それでも文句の一つも言いたくて口を尖らせた。
「誰かに見られたらどうするつもりでしたの」
「そのときは見せつけてやればいい」
「なっ…」
ジョエルが絶句していると、ファンドレイがくく、と喉の奥で笑って腰を引き寄せる。
「アンタは俺のもんだって嫌でもわかるだろ」
そう言ってぎゅっと彼の胸板に頭を押し付けられると反論できなくなってしまう。
婚約が発表されてからというもの、ファンドレイはジョエルに対して独占的な発言が増えた。
元々独占欲が強かったのかもしれないが、そのような面はこれまで見たことがなかったのでジョエルは若干戸惑っていた。