第17章 恋は盲目
「おい」
不機嫌そうな声にジョエルはきょとりとしてファンドレイを見る。
「何か…?」
「余所見するな」
「えっ」
ぐいっと腰を強く引かれてジョエルの足がもつれる。
それに構わずファンドレイはジョエルを引きずるようにして図書館の奥へと進んで行った。
そしていつもの誰も来ない書架の最奥に辿り着いたと思えば荒々しく唇を奪われる。
(も、もしかしてファンドレイ様…妬いてくださってる…とか…?)
口内を蹂躙する熱い舌を受け止めながら、ジョエルは
ファンドレイの首筋にそっと手を添えた。
その途端、彼の唇が離れていく。
「こんなところで煽るな…っ」
「あっ…」
ぬる、とジョエルの耳を舌が這う。
ぞくぞくぞくっと背中を何かが走り抜ける。
煽ったつもりなど毛頭ないジョエルは、意味がわからぬまま甘い息を吐く。
ぐいぐいと脚の間にファンドレイの膝が入ってきてハッとして彼を見れば、色欲に塗れた雄の顔をしていた。
首まで詰まったドレスを着ていれば状況は変わっただろうが、今日はしっかりと谷間の見えるもの。
ファンドレイは躊躇なく手を差し込んできた。
「い、いけませんわっ」
小声で抵抗するも、口づけで感じてしまったことは隠せるわけもなく半勃ちの先端を指の腹でくるくると撫でられてしまう。
むず痒い小さな刺激がじわじわと胸の先から広がってくる。
「だ、め…」
男の手によって硬くしこりだしたそこは体中に甘い疼きを呼び込んできた。
くにくにこりこりと弄ばれて、ジョエルはファンドレイにしがみついて声を噛み殺そうと唇を引き結ぶ。
ファンドレイの膝がジョエルの脚の間にあるということは、ジョエルの脚も彼の膝を挟んでいるということで。
(こ、この当たっているものは…もしかして…っ?!)
こんなところでそれをそんな風にしてしまっているなんて、とジョエルは驚き、困惑した。