第16章 新しい世界
「うっ…」
「あんっ、あっ、あっ」
上手く腰が動かせないのがもどかしい。
擦り合わせた性器同士からぐちゅぐちゅと卑猥な音が聴こえてくる。
その淫靡な律動に浮かされながら腰を振ればジョエルの胸が揺れる。
ファンドレイがカチカチに尖った乳首をペロペロと舐めだして、ジョエルはまた声を上げた。
温かくて濡れた舌は乳首の形やその固さを確かめるように動く。
(あっ…そんなにじっくり舐めないで…っ)
そう思っても体は正直で。
もっとしてほしいと差し出すように背中を反らして胸を突き出すような体勢になってしまう。
ファンドレイはそんなジョエルの背中に手を這わせて、むさぼるように胸を愛撫する。
こりこりと秘芽が擦れる度に内股がビクついてしまう。
そして着実に階段を駆け上がるように上り詰めた。
「あっあっあっ……あああぁぁぁっ!」
ヒクン、ヒクン、とジョエルが余韻に震えていると、トプリと生暖かいものが太ももの付け根を伝って流れていく。
はぁはぁと息を整えながら目をやると、白い液体が二人の下半身を汚していた。
「は…ん…」
ちゅ、と軽く唇を吸われた後、額にも口づけが落とされる。
無我夢中で上り詰めた余韻にぽーっとしていたジョエルだったが、不意に我に返った。
何と淫らなことか。
素っ裸でファンドレイの下半身に乗り上げているのだから、一気に恥ずかしくなって、「きゃあ」と声を上げた。
気持ちよさにすっかり流されていたけれど、今は朝だ。
もちろん夜だったら恥ずかしくないと言う訳ではないのだが、暗い分視覚的な恥ずかしさは和らいでいただろう。
「ジョエル、落ち着け」
突然腹の上で暴れ出すジョエルに、ファンドレイはシーツを手繰り寄せてその柔らかな肢体へ巻き付けた。
「は、は、恥ずかしいですわ…こんな朝から…」
「良くなかったか?」
顔を真っ赤にして抗議したジョエルだったが、ファンドレイの問いかけにうっと詰まる。