第15章 華に焦がれる ~side ファンドレイ~
貴族の、特に爵位の高い令嬢は婚前性交はタブーである。
がしかし、それは建前であることも多い。
というより近年は古い考えだとする若い者が増えている。
ジョエルはシドリアンと婚約していると思っていたから、当初は当然一線は越えているのだろうと考えていた。
でも今思えば、その状態でジョエルの歳まで結婚していないのは変な話だ。
(もしかして…経験が無い?)
いや、あのガゼボで自分を誘ってきたのはジョエルの方だったはずだし、ジョエルのその様子はすでに色を知っているものに見えた。
男を誑かし、跪かせるだけだったということか。
ゆるゆると指を抜き差しするものの、中々そこが解れてこない。
秘芽や乳首への刺激には甘く反応するのだが、中は今ひとつ。
ファンドレイは思わずひくりとニヤけた。
ジョエルが身体を赦したのは自分一人。
これからこの身体に自分が色を教えていくのだ。
「んぁっ」
中に入れた指はそのままに、再びその上の芽を舐めあげる。
左右の襞にもしっかり舌を這わせてやれば、乾きかけた奥からとろりと湿ってくる。
「んっ、あっ、あっ」
舌を広く押し当てて、ぴちゃぴちゃとわざと濡れた音を出す。
頬を上気させてはぁはぁと悶えるジョエルの姿は、ファンドレイの性欲を爆発させる。
「くっ…」
もう我慢できない。
このまま貫けばジョエルを傷つける。
ファンドレイは指を抜き、股の間から顔を上げてジョエルの足を閉じた。
「んっ…」
とろんとした目でジョエルが見上げてくる。
両膝をぴたりとくっつけさせて、宙に浮いた足を抱きかかえれば、ハッとして身体を強張らせた。
「ファンドレイ様っ」
「大丈夫だ、中には入れない」
先走りの雫をそそり立つ陰茎に塗りつけて、愛液とファンドレイの唾液で濡れた割れ目の間にピタリと挟み込む。