第3章 シュタイン~4年後~
ユーリは馬に乗りシュタインからウィスタリアへと向かっている
【ユーリ=ノルベルト殿 プリンセス専属執事合格通知書】
極秘裏に試験を受けたのは半年前
実力を試す為受けた試験は
隣国ウィスタリアのプリンセス専属執事試験だ
立ち振る舞いからお茶のサーブ
特技..これは萩にも教えていた剣舞を披露
誰からも好かれる微笑みを武器に挑んだ
結果は見事合格した
たどり着いたウィスタリアの城を見上げていると
「貴方はユーリですね。ようこそウィスタリア王宮へ
荷物はそれだけですか?」
「はい。必要最低限にまとめて来ました
ジル様よろしくお願いします」
にっこり微笑みを浮かべ挨拶をする
「間もなくプリンセス候補の女性が来られます
荷物を置き服を着替えて準備を手伝ってもらえますか」
「すぐに着替えてきます」
旅行中に飛行機のトラブルで偶然着陸したウィスタリアで
ジルの目に留まってプリンセスに選ばれたのは
日本で普通の暮らしをしていたOLのサクラだった
萩に似てる....
栗色で緩いウェーブのロングヘアー、愛らしさを残した美しい顔だち
髪色は萩の方が少し明るい感じだ
違う所は瞳の色
サクラは髪と同じ栗色だが
萩の瞳は珍しい深い緑色をしていた
「サクラ様、プリンセスになったばかりだけど
1週間後に城下の人を王宮に呼ぶ催し物があるんだって」
「催し物?」
ジルから聞いた話を簡単に説明する
「サクラ様のお披露目パーティーだよ」
「が、頑張る」
~シュタイン~
「兄様、ウィスタリアのプリンセスお披露目パーティーに
行ってみたいの....ダメかな?」
ユーリがいなくなってから塞ぎ込んでいた萩が
珍しく行ってみたいとお願いしてきた
「いいだろう。行ってこい
アル!萩を国境まで送ってやれ」
ここ4年クロッシュのデジールに怪しい動きはない
「ありがとう!兄様」
パッカパカッ
アルと共に馬に乗りウィスタリアとの国境までやってきた
「萩様これをゼノ様から預かって来ました」
可愛い袋には1週間の滞在にしては多めのお金と
宿までの地図が入っていた
「楽しんで来て下さい。」
「ありがとう。行って来ますアル!」
アルバートは萩が見えなくなるまで見送った