第10章 新たな幕開け
「はい。お聞き致しております
萩様がお選びになられたお方なら異存はございません」
「ありがとう皆さん」
「では私共は最終準備にかかります
しばらくここでお待ちくださいませ」
その頃お城のテラスでサクラが国民に挨拶をしていた
「皆さま初めまして私はウィスタリアのプリンセス『サクラ』と申します
クロッシュに来る事が出来大変嬉しく思っております
そして皆様に大切なお話がございます。ジルお願い」
「デジールは反逆罪で投獄されることになりました」
「なっ!?どういう事だ!!」
ガシッと両脇を騎士団に捕まれたデジールが慌て喚く
「貴方には4年前の王、王妃殺害の容疑がかかっています
残念ですが証拠はそろっておりますよ
悪あがきをやめて大人しく捕まりなさい」
「くそっ、王妃にそっくりな顔、可笑しいと思っていたが
やはり貴様は萩王女だったか」
「いいえ、私は萩ちゃんではありません
ウィスタリアのプリンセスのサクラです」
「なに、王女ではない?」
「ええ、本物の王女萩様はこちらです」
ジルが手をあげると官僚を従え礼服を纏った萩が姿を現した
「ごきげんようデジール。ただいま帰ってまいりました
これからは私がクロッシュを守っていきます
今までご苦労様、牢獄でゆっくりしなさい」
「ど、どうせ貴様も偽物なのだろう」
「黙れデジール、忘れたのか、よく見ろあの瞳を王家の証の緑の瞳を!」
「緑の瞳.....」
言われて萩の瞳を見る
デジールを見つめる瞳は怒りと憎しみに満ちている
「お分かり頂けましたかデジール。私は萩=エスポワール、貴方が殺した王と王妃の娘です!?
フェデルタ連れて行きなさい」
「はっ!行くぞ」
デジールは引きずられるように連れていかれた
『おい、デジールが捕まったぞ』
『これで重い税金が無くなる!』
『萩様が生きておられた!』
広間に集まった人々から歓喜の声が聞こえてくる
「皆さん4年もの間よく耐え抜いてくれました
今日からは私がこの国をクロッシュを支えてまいります」
『萩様ーおかえりなさいませ』