第10章 新たな幕開け
一週間の騎士留学を終えフェデルタはクロッシュへと帰って行った
その数日後にはデジールからの招待状と秘密裏にフェデルタからも手紙が届いた
『萩=エスポワール様
デジールが言い逃れできない証拠を準備致しました
貴方のお帰りをお待ちいたしております フェデルタ 』
「官僚たちの準備が整ったみたいですね」
「デジールもこれで終わりだな」
「萩様今回はサクラ様にも協力をお願いしようと思っております
サクラ様にデジールの足止めをしてもらっている間に
萩様はクロッシュの官僚たちと最終打ち合わせをお願い致します」
「姉さまよろしくお願いします」
「うん。萩ちゃんの為に頑張るね!」
「サクラ様のエスコートはカイン様よろしくお願い致します」
「ああ、任せとけ」
「アラン殿は後から萩様と裏口からお入り下さい
そちらにフェデルタが待っています」
「分かった」
「私はサクラ様と共にしつつフェデルタとの連絡役に回ります
では皆さままいりましょうか」
「「「「はい!」」」」
二台の馬車に別れ乗り込む
一台目にはサクラ、カイン、ジル
二台目には萩、アラン
走り出した馬車向かう先はクロッシュ
サクラを乗せた馬車は町の中心をゆっくり進んで行く
住人とデジールの目をサクラたちに向けて置き
萩を乗せた馬車は裏道を走り城の裏門へ到着した
「萩様おかえりなさいませ。お待ちしておりました」
馬車を降りるとフェデルタが出迎えてくれた
案内された部屋に入ると官僚たちが立ち上がる
「萩様よくご無事で!
フェデルタから生きて居れるとお聴きしてから私たちは萩様のお帰りをお待ちいたしておりました」
「皆さん私を萩=エスポワールと信じて下さるんですか?」
「信じるも何も貴女様は萩様で間違いございません
王妃様と瓜二つのお顔で何よりその瞳の色は王家の証
私共は貴女に忠誠を誓います。クロッシュをお願い致します」
「もちろんです、そのために私はここに帰って来たのですから
それと、フェデルタから聞いてると思いますけれど
こちらのアラン=クロフォードと婚約いたしました」
そっと寄り添い微笑む