第8章 留学
「別に怒ってなんかいねえよ」
「嘘だ、眉間に皺を寄せて睨んでたじゃない!?」
「それは.....」
「それは?」
「.....何でもねえよ」
フイッとそっぽを向く
(言える分けねえだろう...『俺以外の男とベタベタしてたから』なんて)
「アランに助けてほしかったのにな.....」
ボソッと言った言葉にアランが反応する
「萩.....」
「おっ、ここが訓練場か結構広いな」
フェデルタの声にハッと前を向くといつの間にか訓練場まで来ていた
「ああ、今日の訓練は終わった
明日の朝訓練する、フェデルタお前も参加するだろ?」
「もちもんだ、ウィスタリアの騎士団がどれほどの物か知りたいからな」
ニヤッと笑う
「ふ~ん、まあいいけど腰抜かすなよ?」
挑戦的な微笑みを浮かべる
「今日は疲れただろう?部屋に案内する。こっちだ」
『お前は自分の部屋に帰れ』と言われ仕方なく自室へと帰る事にした
「アラン忘れたのかな.....」
部屋に入るとベットに仰向けになり呟く
シュタインからの帰りの馬車での事
ウィスタリアに到着する少し前萩はふと目が覚めると
ノアの膝で寝ていたはずがアランの腕の中にいた
「アラン...」
名前を呼びながら無意識に抱き着く
「んっ何、寒い?」
「少し...暖めて?」
「何誘ってんの?」
クイッと顎を持ち上げ柔らかく微笑む
「そうだって言ったらどうするの?」
「そりゃ『据え膳食わぬは男の恥』だろ?」
目を閉じるとアランが口付け落とす
「んっ...」
軽く触れて離れては触れて
少しずつ触れている時間か伸びる
「アラン...もっとして?」
うるんだ瞳で見つめれば先ほどよりも深く口付けが落とされ
空気を求めて少し口を開くと舌が入り込み舌を絡ませる
「...はぁ..」
首筋に舌をつっーと這わせる
「あっ...」
ドレスの襟元を開かれ胸にピリッとした痛みが走る
胸元にあるアランの頭を抱きしめる
「んっ...アラン...好き大好き」
「俺もお前が好きだ」
「ほんと?嬉しい」
ふんわり微笑むともう一度キスを交わす
「続きは城に帰ってからな、もう少し寝てろ」
頷きアランの胸に擦り寄り瞳を閉じた
寝息が聞こえ始めた萩の頭にアランはキスをした