第8章 留学
数日後、馬に乗ったフェデルタがウィスタリアにやって来た
「ようこそ、ウィスタリアへお待ちしておりました
私はジル=クリストフ、国王の側近で
プリンセスの教育係も務めております。」
「初めまして私はクロッシュの騎士団長を務めている『フェデルタ』と申します。
今回は騎士留学を認めていただきありがとうございます。
一週間よろしくお願いいたします」
騎士団長らしく恭しく挨拶を交わす
「デジールの奴に怪しまれなかっただろうな?」
アランは眉間に皺を寄せる
「もちもんだ、今回の騎士留学を喜んでいる様子だったぞ
敵情視察して来いってさ
俺が萩の不利になるような事言う訳無いのにな」
「立ち話も良いですが場所を移動いたしましょうか」
廊下を歩いて広間に行くと
「団長さんだ、久しぶり~」
「ノア様お久しぶりです」
にっこり微笑む
「へぇーこれが噂の初恋の彼?」
「普通だ」
「はぁ?初恋って何の話だ?」
「カインは関係ない」
「そうそう、サクラちゃんがいるでしょ」
ワイワイと盛り上がっている
「.....アランこいつ等が萩の伴侶候補?」
「嫌、まだ...」
「皆さ~ん紅茶が入りましたよ」
アランの言葉を遮るようにユーリがワゴンを押して入ってきた
「あいつも伴侶候補だ、執事をやっているが剣の腕はいい」
ジッとユーリを観察する
隙や無駄のない動きに感心する
「なるほどな、手合わせしてみたい」
「やめとけフェデルタ、あいつは強いぞ」
「シド貴様どこから湧いてきた!?」
「相変わらずうるせえな、ちょっと萩に会いに来ただけだ」
「貴様まだ萩に纏わり付いてんのかよ!」
「シドはフェデルタと知り合いだったのですか」
「おお、クロッシュでこいつの事おちょくって遊んでたなかだ」
「誰が貴様と遊ぶか!?」
ギャーギャー言い合いをしている所へ
色違いのドレスを着たサクラと萩がやってきた
「随分賑やかですね、何かありましたか?」
「本当煩いぐらいだよね~何やってんの皆」
「萩!逢いたかった」
ギュッと抱きしめる
「フェデルタいらっしゃい、待ってたよ」
抱きしめ返しながら微笑む
「えっ!萩ちゃんの恋人なの?」