第8章 留学
東の空がうっすらと明るくなり
朝日が昇ろうとしていた
馬車は静かにウィスタリアに帰ってきた
「おかえり萩ちゃん親睦パーティーお疲れさま」
馬車を降りるとレオがお帰りのハグをしてきた
「ただいまレオ。ジルは部屋にいる?」
「うんいるよ。もう報告に行くの?」
「萩おかえり。大丈夫だった?」
「ただいまユーリ。大丈夫だよ
フェデルタが味方になってくれるって!
そのことでジルに相談があるの」
「「フェデルタ?」」
誰だ?と言う顔をして後ろのアラン、ノアを見る
「フェデルタはクロッシュの騎士団長の名前で萩の幼馴染で初恋の相手だってさ」
「余計な事言わなくていいから、ジルの所に早く行こう!?」
アランの背中を押してジルの部屋へと向かう
コンコンッ
「はい、どうぞ」
「ジルただいま」
扉を開きピョコッと顔を出す
「萩様おかえりなさいませ。親睦パーティー如何でしたか?」
「良い情報が手に入ったよ~
今度クロッシュに行く事になってその交換に
クロッシュの騎士団長を騎士留学にウィスタリアに招待する事になったの」
「騎士留学ですか.....敵を迎え入れるのは得策ではないのでは?」
「大丈夫だジル、その騎士団長はこっちの味方で
萩の幼馴染で初恋の相手だ」
「いちいち初恋って言わないで!?」
「初恋は置いておき味方なのですね?」
「うん。官僚たちとデジールを国王代理の座から引き落とそうと、悪事のデータを極秘に集めてるんだって」
「まあ今回の騎士留学はフェデルタが萩に会いたいだけだろうな」
「.....分かりました。では、明後日から一週間の騎士留学を認めましょう
宛名はクロッシュの騎士団長フェデルタでよろしいですか?」
「よろしくお願いします」
「手配いたします。萩様今日はゆっくりお休みください」
萩を見送る
「アランはクロッシュ騎士団長の事をどう思いますか?」
「腕の立つ奴だと思う、後は萩を慕ってる」
「そうですか、会うのが楽しみですね」