第7章 騎士
~ゼノ~
(そろそろ声をかけて見るか...)
「どうだデジール、よい話は聞けたか?」
「はい、今度サクラ様に我が国に来ていただけないかとお聞きしている所です」
「クロッシュへか、俺も行って見たいな」
「はい!ぜひいらして下さいませ!」
「......」
(後ろにいる騎士団長、今一瞬だがデジールを睨んだか?)
「ゼノ様、少し席を外させて貰ってもよろしいですか?」
「ああ、構わない。ゆっくりしてこい」
(デジールを相手に話して疲れただろう)
「おや?これはサクラ様の髪飾りでは...」
「デジール様、私がお届け致します」
(騎士団長はデジールを良く思っていない
萩の様子を見ていて分かったが気を許しているようだ)
「ここの警護はアルが、アランは今外の警護中だ
悪いがサクラの警護を頼む」
(任せて見るか。さて、吉と出るか凶と出るか...)
~萩~
パーティー会場を出て廊下を歩いていた時
「サクラ様!」
「えっ!」
声をかけられ驚いて振り向くと
そこにはクロッシュの騎士団長の姿がある
(フェデルタ...騎士団長になったのね)
嬉しくなり笑顔を向ける
「貴方は確かクロッシュの騎士団長さんですね
どうかしましたか?」
「これを」
サクラが落とした髪飾りを手渡す
「髪飾り?わざわざ届けに来てくれたの?ありがとう」
(相変わらず貴方は私に優しいね)
満面の笑みを向けると真っ赤になった
「いえ.....それから貴女の警護を任されました
暫くご一緒させていただきます」
「分かりました。私は部屋で休みますので
一緒に来ていただけますか?」
「はい!」
(まるで犬が喜んで尻尾を振っているみたいに見えるよ)
クスクス笑いながら自室へと歩いていく
「ここがゼノ様から与えられた部屋です。
どうぞお入り下さい」
「し、失礼します」
緊張した様子で入ってくる
「そんなに緊張しなくてもいいのに...
お茶でも飲む?」
「いえ!警護中ですので」
「ここはクロッシュとは違う、シュタインは安全だよ?
それにデジールも兄...ゼノ様も今はいないんだよ?」
「分かりました。いただきます」
パッと笑顔になり急いで準備に取りかかる
「どうぞ、熱いから気をつけてねフェデルタ」
「はい....えっ!?」