第7章 騎士
「それでは、アラン殿ノア様よろしくお願いします」
「ああ、分かってる」
「うん。行って来るね~」
「行って来ます」
ジルに見送られ3人は馬車に揺られシュタインを目指す
「シュタインのいる間は『サクラ』って呼ぶからな、ちゃんと反応しろよ」
「うん。大丈夫」
「え~間違えちゃいそう」
「ノア....萩って呼ぶなよ」
「う~ん自信無いけど頑張る」
はぁっと溜息を吐く
「着くのは日が昇る頃だからな」
馬車の心地よい振動で睡魔がやってくる
「萩眠いの~?俺の膝を貸してあげる」
肩を抱きそっと膝へ頭を乗せる
キャラメル色の髪を優しくなでる
「んっ....」
「お休み萩」
ノアの膝で心地良い眠りに落ちていった
どれだけ寝ていただろう体が暖かい
目を開けるとノアが体を包み込むように抱きしめている
「あれ?確か膝で寝てたような気がするんだけど」
「んっ、どうしたの~まだ着いて無いでしょ」
眠い眼を擦る
「うん。どうして抱きしめてるの?」
「え~萩が寒そうだったから暖めようと思って」
ニコニコ微笑みまた眼を閉じる
「ノアは猫みたい」
フワフワの髪を撫でながらもう一度眼を閉じる
~シュタイン~
「そろそろか」
「はい。間もなく到着すると連絡がありました」
窓の外に眼を向ければうっすらと辺りが明るくなり
朝日が昇ろうとしていた
ガラガラと音を立てて門をくぐり馬車が入ってきた
「ゼノ様、到着したようです」
「では、萩を迎えに行くか」
場所の扉を開く
まずアランが降りる
ノアは萩に手を伸ばしエスコートをする
「兄様ただいま!」
馬車を降りゼノに駆け寄り抱き着く
「お帰り萩」
「おかえりなさいませ萩様」
「うん、ただいまアル」
「萩~俺ともハグして🎵」
「違うだろノア!
ゼノ様お世話になります」
「ああ、パーティーは夕方からだ、それまで城でくつろいでくれ」
「私は自分の部屋に行こうかな、ノアとアランはどうする?お城の中案内しようか?」
「俺は警護の打ち合わせをアルバードとするからいい」
「萩の部屋に行きたいな~」
「良いよ、部屋に行こうか」
「また後でね、朝食には顔を出すから」