第4章 サックス 神宮寺レン
「あっ神宮寺先輩だ」
池の方から、キレイなサックスの音が聞こえてきた
それは勿論私が思いを寄せている先輩神宮寺レンが吹いているサックスの音だった
(いつ聞いてもキレイの音)
私はいつものように木の陰からこっそりと聞くことにした
(眠いか...も......)
春風に身を任せ、眼鏡を外して私は意識を手放した
「んっ」
少し寝て目を開けると薄らとオレンジの塊が見えた
(何だろう)
手探りで眼鏡を探すが
(ないっ!!)
焦っていると目の前から声が聞こえた
「お探し物はこれかな?」
赤い小さなものが見えた
(私の眼鏡......!)
「そっそれです」
「どうぞ」
眼鏡を掛けるといつも遠くから眺めている人がいた
「じっ神宮寺先輩!」