第2章 出逢い
あの夢は本当に夢だったのだろうか…?
なぜだか分からないけれど、ふとそんなことを思ってしまう。
もし夢じゃなかったら、わたしは…
「おい!…ん?寝ちまったのか…?」
楽さんの声に目を開けようとしたけれど、なんだか甘えたくて寝たふりをした。
「取り敢えず家に入れるか…。」
楽さんの独り言が聞こえて、すぐにひょいと持ち上げられる感覚がやってきた。
バレないようにうっすらと目を開けて状況を確認してみる。
楽さんがわたしを、大きくて暖かい手のひらに乗せて家の中に入っていったのを見てから、もう一度目を閉じた。
やがて、背中にふかふかとしたものが当たる。
そして大きな布がわたしの身体に被さって暖めてくれた。
たぶん、ベッドに運んでくれたのだろう。
本当は起きていることがバレたら、さっきまで居たお花のところに帰されちゃうのかな…?でも、きっと優しい人だからそんなすぐには帰さないよね…!