第3章 真実
外に出ると当然、真っ暗で少し肌寒かった。
…楽さんに種を渡したおばあさんなら、わたしのことを知っているかもしれない。
そのおばあさんから貰った種から育った花の上に居たのだから…。
けれど、こんな時間ではおばあさんどころか人の姿は見当たらない。
「今日はもう帰ろ…。」
踵を返すわたしに
「おや、アンタ大事に育てられとったのか…。
良かった、良かった…。
久しぶりだね、まつり…。
どうだい、幸せかい…?」
と、夢に出てきたおばあさんと同じ人が声を掛けてきた。
わたしの姿が見えている…ということは、
「おばあさん、わたしを知っているのですか…?」
その問いを待っていたように、おばあさんが口を開く。
「あぁ、この際だからお前のことを教えてやろう。
お前は元々普通の若い女じゃった…。