第3章 真実
しかし、お前は遠い親戚である私にこう言った。
“最近楽しいことがない”と…。
だから私はお前に魔法をかけたのじゃよ。
そして、種の姿に変えた。
その種は優しい心を持ったものに与え、そいつと暮らすことで幸せになれるのではないか、と考えたのだ。
また、お前もとても優しい心を持った良い子だった。
相手もお前と居れば幸せになれると思った。
魔法が解けないよう、種をすぐに植えて大事に育てることで花が咲き、中からお前が出てくる…。
そういう仕組みだよ。
それだけじゃない。お前が元の姿に戻るには更に大きな愛情がいる。
愛情さえあればお前は育つのだよ。」
そこまで言うと、おばあさんはパッと姿を消してしまった。
「愛情…。」
正直、頭がついて行かないところもあった。
けれど、それよりも今、楽さんに会いたいと思った。