第3章 真実
「まつり、今日何をしようとしたんだ?」
一瞬、言おうか迷ったけれどこの人に隠し事はしたくないと思い、口を開いた。
「楽さんに少しでも休んで欲しくて…。
でも、掃除も料理もこんな身体じゃ全然ダメで…。
余計に散らかしてしまって、すみませんでした…。」
ゆっくりと本当の気持ちを話すわたしに、楽さんは
「はははっ!」
と笑った。
「そんなこと考えてくれたのか…?
俺は、その気持ちだけで嬉しい。」
この人は何でこんなに優しいのだろうか…?
わたしの心臓はドキドキとうるさくなった。
夜中、楽さんが完全に寝たのを確認してそっと家を出た。
楽さんはあんなふうに言ってくれたけれど、やっぱり普通の大人の大きさになって、恩返しがしたいと思う。