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おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第9章 絡まる恋糸



ここは大手レンタルショップヅダヤの一角。黒いカーテンで仕切られるは、欲まみれな大人達の魂を癒すあのコーナー。

そこに一人の青年がいた。トレードマークは赤いパーカー。人目も気にせず床にあぐらをかいている。


(最終選考まで残ったのはこの二作…)


塾考に熟考を重ね、二時間はその場に居座っているだろうか。


(うーーーん、どっちも捨てがたい!この子のおっぱいは神がかってるし、こっちの子はいいケツしてるし…!)


おっぱい神と極上ヒップが彼の中でせめぎ合う。その悩み苦しむ姿は、まるで人生の分かれ道に差し掛かり、どちらか一方しか生きて通れない道を選ぶ試練を与えられたかのようだ。


(甲乙つけがたいよー!パイケツつけがたい!もうムリ!残酷すぎる!でもパチンコ行きたいから借りるとしたらどっちか一本!あーぁ、チンコに辛い決断させちゃうよこれは…)


財布を開けて、軍資金を確認すると——


(そだ!とりあえず一本だけ借りて、パチンコで勝ってから更に借りればいーじゃん!?)


堅実性のない閃きが彼の脳裏によぎった。


(お願いします!人生負けてんだから、ギャンブルくらい勝たせてくださいよ赤塚先生…!)


クズすぎる困った時の赤塚先生頼みである。たかがAVごときでここまで本気になってしまう長男は、どこまでも欲望に真っ直ぐな愛すべきバカだった。


(ん?よく見たら、この子…ゆめ美ちゃんにほんのり似てね?)


極上ヒップの持ち主である女優の顔をまじまじと眺める。髪を巻いたりメイクがキツめな子が多い中、ゆめ美に似てるその女優は清純派な黒髪セミロングにナチュラルメイク。はにかみながらこちらに骨抜きヒップを見せつけている。控えめなおっぱいが、これまた清純そうでおそ松のお粗末を膨張させる。


(こーゆー子に限ってベッドで乱れるんだよ!喘ぎ声とかエロいんだよ!髪振り乱して騎乗位とかしちゃうんだよ!)


勿論、彼は現役童貞なのでそんな経験一度もない。


(コレハ…もしかしたら俺は、とんでもない掘り出し物を発見しちゃったんじゃないの!?)


彼の目にもう迷いはない。
ゴクリと唾を飲み、おっぱい神をゆっくりとラックへ戻した。



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