第6章 一番強いのはぼくだよ!!
——かのように見えた。
「トッティ、イレブンバック中の3は上がり禁止札よ?」
「え"!?」
おそ松の一言でトド松は固まる。
イレブンバックや革命をすれば、最強の数字は3になる。
一番強い数字で上がってはいけないというのが上がり禁止札のルールだ。
最後の最後で、トド松は反則してしまったのだ。
「うそ…うそでしょっ!ボクが大貧民!?」
トド松は悔しそうに唇をキュッと結んだ。
そんなトド松をゆめ美は笑顔で励ます。
「惜しかったね、トッティ」
「あーあ、負けちゃった…。兄さん達すっごく強いんだもん。でも、次はユメと二人で大富豪と富豪になってみせるから!」
「うん!がんばろっ!」
微笑み合う二人。
五人の兄達は、なんだあれ、あれはあれでおいしいじゃん、と心の中で舌打ちをした。
「トッティが反則負けということは、オレが貧民…か。しかし、デンジャラスな勝負だったぜ…」
カラ松は、安堵の溜息と共にペラッと最後に残ったスペードの3をみんなへ見せる。
「なるほどね。二人して最弱なカードを残してたのか」
「ああ。チョロ松、勝負は時の運とはまさにこのこと……だな!」
チョロ松はカラ松の台詞に反応せず、トランプを搔き集めだした。
・・・
そんなこんなで、10回戦では決着がつかず延長戦へともつれ込み、勝負がつく頃にはすっかり日が沈んでいた。
7章につづく