第6章 一番強いのはぼくだよ!!
「ゆめ美ちゃんのおなーーりーーー!!」
玄関先で素振りをしていた十四松が、トド松とゆめ美の姿を確認し、勢いよく引き戸を開けた。
出迎えたのはチョロ松と母親の松代だ。
「あらまぁ!うちのニート達にお客さん!しかもトト子ちゃん以外の女の子だなんて!」
一言余計だが、松代は心の底から喜んでいる。
ゆめ美は靴を揃えて松代にぺこりと頭を下げた。
「はじめまして!これ葉ゆめ美です。これ、お土産のカステラです」
「親切にありがとうね。グスッ…オーイオイオイ!」
「母さん泣くほど!?そして今時オーイオイって泣く!?」
ハンカチで涙を拭う松代を、チョロ松は呆れ顔で眺めながらゆめ美の荷物を持つ。
「ゆめ美ちゃん、うちのニート達をよろしくね。同じ顔してるけど性癖は個性豊かだから」
「母さんホントに今日どうしちゃったの!?」
「チョロ松兄さん、母さん気が動転してるから、とりあえず早く部屋へ連れてってあげよう」
開いた口がふさがらないゆめ美は、トド松に背中を支えられながら居間へ案内される。
「トッティ…お、おもしろいお義母さんだね」
「ごめんね。ユメが来てくれたのが嬉しすぎて動揺してるだけだから、あんまり気にしないで」
先頭に立つ十四松が襖を開けると、
「いらっしゃーーい!!」
「ウェルカムマイホーム!!」
「……」
沢山のお菓子やジュースを並べながら、おそ松達が笑顔で待っていた。
「すごいお菓子!お邪魔しまーす」
手厚いおもてなしに戸惑いつつも、ゆめ美の心はポカポカにあったまった。