第29章 ※トド松エンド 人を好きになるって
トド松は用意周到な新品である。いつ何時女子とそういう関係になってもいいよう、常にゴムは持ち歩いていた。
準備している姿がゆめ美の視界に入る。女の子みたいなんて思う時もあったが、いろんな意味でちゃんと男だった。肩は浴衣を脱げばガッシリしているし、全身もほどよく引き締まっている。ちなみにちゃっかりジムに通っていたことをゆめ美は知らない。
戦の準備が整ったトド松は、ベッドに身体を預けているゆめ美を抱きしめると、膝を掴み、脚を開いて間に腰を入れた。不安げに瞳を揺らすゆめ美の髪を撫で、ベッドに組み敷く。
「いい?」
「う、うん」
グッと蜜口が押され、強い圧迫感がゆめ美を襲う。
「……っ!」
痛みに耐えて唇を噛みしめる。初めては痛いもの。分かってはいたけど裂かれるような痛みに涙が溢れる。
トド松も予想よりずっとキツイそこへ、額に汗を滲ませながら押し込む。腰を落とし、体重をかけながら…。
「い、た…んんっ」
苦痛に顔を歪ませ目を瞑るゆめ美。
「もう、少し、がんばって」
優しい声がゆめ美の耳元で紡がれる。
トド松は深く息を吐き、腰をねじ込んだ。余裕がないのはトド松も同じだった。
ゆめ美の頬にぽたりとひとしずく。
目を開ければ、額の汗をぬぐうトド松の姿。
熱の込もった瞳を向けられ、その色っぽさにゆめ美の顔が熱くなる。
「ぜんぶ、入ったよ…」
ふわりと微笑むトド松。嘘偽りない、愛情を詰め込んだ笑顔がそこにはあった。
「うん…」
一つになれた喜びに見つめ合い唇を重ねる。
ゆめ美は、愛しさに痛みなんて忘れ、ぎゅ、と背中に腕を回した。