第29章 ※トド松エンド 人を好きになるって
トド松は組んだ指を名残惜しむようにゆっくり解くと、自身の右手をゆめ美の腰へ滑らせた。帯を解いて重なる布を開けば、女性らしい少しくびれた腰回りが目に入る。
「トッティ…」
「……っ」
名前を呼ぶ愛しい人にトド松は暫し見惚れてしまった。
ほんのり紅く蒸気した肌。滑らかな鎖骨。呼吸する度に誘うように上下する胸元。特に、汗で光る腹部の中心部——いわゆるトド松最大のフェチであるヘソのシワ——は何とも艶かしい。
「ねぇ、トッティ」
「……ん?」
見惚れて返事が遅れてしまい、慌てて目を向ける。
「あのね、ちょっと汗かいちゃった」
「ああゴメン、エアコン付け忘れてたね」
冷静にリードしていたつもりだったトド松だが、緊張のせいか初歩的なミス。熱帯夜にエアコンなしでセックスなんて、脱水症状に自らなるようなものだ。
気が利かないなぁと胸中で反省し、リモコンのボタンを押した。
「えと、シャワー浴びてきていい?」
もじもじしながら尋ねるゆめ美。
だが、トド松は首を横に振った。
今中断したら、盛り上がった気持ちがクールダウンしてしまう。
「ヤダ。ボクが拭いてあげる」
トド松は舌を尖らせると、ゆめ美のおヘソをグリグリと押し付けるように舐め上げた。
「え?ええっ?うそっ!」
そんなことされると思ってなかったゆめ美は思わず目を見張る。