第29章 ※トド松エンド 人を好きになるって
突然現れた末弟に、敵意剥き出しでおそ松が人差し指を突きつける。
「おい、藪から棒に何登場してんだよお前!!」
「なんの用だ?」
「ようだー!」
普段優しいカラ松も末っ子を見る視線が冷ややかだ。十四松も加勢して威嚇する。
せっかくのゆめ美との花火大会を無下に断ったのは他でもない、トド松なのだ。
今更何で現れた?これがおそ松達の本音だった。
「トド松、公然猥褻って一松何したの?」
チョロ松は、一松が気になって仕方がない様子。
チョロ松の問いに、トド松は悲痛な表情を浮かべながら拳を握り締める。
「一松兄さんは…っ、ボクの為に身を挺してケツを…!」
「その説明でますます分かんないんだけど!?」
これ以上言えば一松の思いを裏切ることになる。そう判断したトド松は脱糞未遂については口を閉ざした。
「あんなやり方しか出来ないなんてさ。ホント人生損してるよね。でもおかげで決心がついた。一松兄さんのおかげで——」
トド松が真っ直ぐ見据えた先には、今にも泣き出しそうなゆめ美の姿。
そんな表情をされては怯んでしまいそうになるが、覚悟を決めたからにはちゃんと思いを伝えなければならない。