第5章 トランプやるけど、どうせ来ませんよね…?
松野家に夜がやってきた。
わいわい歓談しながら晩御飯をペロリと平らげるニート達。
夕食後はみんなで仲良く銭湯へ行き、帰ってくればお揃いのパジャマにお着替えだ。
はしゃぎながら布団を敷き、パチリと電気を消しておやすみなさい。
それが彼らの日常。
今日も精一杯ニートして、いつものように就寝タイムが訪れる。
だけど今夜はちょっぴり違った。
「ついに…明日が来ちゃう、来ちゃうよぉー!」
「おぉ…トゥモロー…カモントゥモロー!」
「はーー…緊張感ハンパないね」
電気を消して二時間経ったというのに、六人は未だ寝付けずにいた。
「いや、きっとまやかしだ…来るはずない…」
「くるよ!くるくるー!!ボゥエッ!!」
「動悸起こさないで十四松兄さん」
例えるならば、小学生が遠足の前日、ワクワクして布団の中で目が冴えてしまうのと同じだ。
明日が待ち遠しくて眠れない病である。
「ねーチョロまつぅ。俺、明日ゆめ美ちゃん見て射精しちゃったらどうしよーぅ」
「きもちわるいんだけど。てかさっさと寝ろよ」
「だってぇ、この間のバニー思い出すだけでなんかぁチンコの奥がぁ」
「だからきもちわるいって!言わなくていい!言わなくていいから!」
隣で発情しだすおそ松に背中を向け、チョロ松は深いため息をついた。