第4章 内面を充実させる為にまずは外見から高めていかないとね?
「ふんだ!!こんなクソニート共置いてお茶しに行こ?」
「え!?でも私達ひどい格好だけど…」
「はいカーディガン。トト子の引き立て役よろしくねっ!うふふふふ!」
「は、はぁ…」
トト子が強引にゆめ美の腕を引き、店のドアを開けようとした時、店主がキッチンからひょっこり顔を出した。
「ゆめ美ちゃん、開店二十分前には戻ってきてねー」
「は、はーい。いってきまーす…」
——こうして、男達の欲にまみれた制服選びはあっけなく終了した。
結局、制服はどれも選ばれず、というかゆめ美が認めず、カラ松フェイスワッペンが施されたいつもの制服を着続けることとなった。
これが意外にも好評で、客の間では「魔除けのお守り」として噂され、一日一度見たら御利益あると拝まれていたりする。
実はゆめ美も密かに気に入っている。
愉快な六つ子のみんなとまた一つ仲良くなれた、そんな気がして、ワッペンを眺めては一人胸を弾ませるのだった。
5章へつづく