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おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第21章 松怪奇譚 オマケ



おそ松に案内されたのは、ゆめ美がチョロ松と入った鉄格子のある地下室だった。

停電の為、蛍光灯の代わりに数え切れないほどの蝋燭が置かれ、部屋中に不気味な炎を揺らめかせている。


「紹介するよ。地球外生命体の鬼ちゃんです!」


手を広げ、明るい声でおそ松。

絶句する二人の眼前には、蝋燭が揺らめく鉄格子の中、青鬼達とトランプを楽しんでいる松達の姿があった。


「フン、またオレの負け…」

「あぁもう、カードを涎でべちょべちょにしないでくれる?」


チョロ松が睨みを利かせると、青鬼は素直に頭を下げている。


「あの、おそ松くん、これは一体…」


仲睦まじい様子を見て、ゆめ美と一松は開いた口が塞がらない。


「いやぁ、俺ら五人捕まって塩振られた時はもう終わったって思ったけど、ゆめ美ちゃんのおかげで助かったよ!ほんとありがとな!」

「えっと、話についていけないんだけど」


困惑するゆめ美に、おそ松は人の姿に戻った女将に向かい顎をしゃくった。
ゆめ美が訝しげに女将を見やると、手に何か持っているのが見え、思わず「あっ」と声を漏らす。


「あれは、私の松汁!?」


女将は、ゆめ美のバッグに入っていたはずの松汁粉末タイプを大事そうに両手で持っていた。恐らく先ほど青鬼が部屋に入ってきた時に物色したのだろう。


「ホラホラホラ!こんなに美味い飲み物は生まれて初めてだよ。でも本当にこんなに素晴らしいもんを貰ってもいいのかい?」

「地球とオニオン星の友情のしるしとして松汁を送りマッスル!」

「早速星に持ち帰るよ。本当は来週地球侵略予定だったんだけど、辞めるよう伝えておくからね」

「もう、物騒なこと言わないで!物騒なのはその顔だけにしてねっ」


冗談まじりにトド松が言うと、ドッと笑いが起こる。

一連の流れに、二人は顔を見合わせた。


「……つまり、人類の運命は松汁に救われた……?」

「……そう、なるね」




・・・




翌日、イヤチビは松達の報復によって、某サファリパークのライオンの餌になりかけたらしい。














松怪奇譚ボツネタ おしまい
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