• テキストサイズ

おそ松さん〜恋セヨ松野さん〜

第15章 番外編 perfect birthday〜F6〜



賑わう街を、一人歩く乙女がいた。


(みんな喜んでくれるかな)


今日は五月二十四日。

この物語の主人公である女の子、ゆめ美が大好きな六つ子達のバースデー。

手には、この日の為に準備したプレゼント。

この世界で「六つ子」と聞いて人々が連想するのは、国民的アイドルでありながら、かの有名な赤塚不二夫財閥に属し、一国家に匹敵する権力を持つと言われている、松野家の六つ子達のことである。彼らは不二夫の"F"を取って、通称「F6」と呼ばれている。

そんな六つ子とゆめ美は、語り尽くせば辞書一冊分くらいの字数になり、涙腺に響くともっぱらの噂の、超絶劇的な出会いを経て心を通わせる仲となった。

しかし、全員イケメンで銀河級のステータスを持つ六人。一人を選ぶなんて酷なことゆめ美には出来かねる。

そんなわけで、バースデープレゼントを全員分用意し、ゆめ美は六つ子に会いに街を歩いていた。


(この角を曲がった伝説の樹の下が、おそ松くんとの待ち合わせ場所…)


はやる気持ちを抑えきれず、少し早足で角を曲がろうとすると、


「キャッ!?」

「あぁん?なにすんだねーちゃん?」


なんかいかにもなチンピラにぶつかってしまった。それも、二人組に。


「す、すみません急いでいて、つい」

「謝って済むならマッポはいらねぇんだよ?なぁ?」

「あーあ、ぶつかった衝撃で、兄貴のお気にのシャツにケチャップついたじゃねーか!どーしてくれんだよねーちゃん?」

「い、言いがかりはよしてください!私がぶつかって、なんでケチャップが付くんですか!!」


ゆめ美はごく当たり前の反論をする。だが、得てしてこういう場合、チンピラ共は支離滅裂で無茶苦茶なことを言い始めるものだ。


/ 442ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp