第13章 十四松の誓い
「こ、怖かったぁ…!」
「あっははー!ナイスキャッチぼく!!」
二人でギュッと抱きしめ合う。
「ゆめ美ちゃん、楽しかったね!また屋根上ろう!」
「……怖いから暫くはいいです」
「ボゥエッ!!??」
「ぷっ!なにその顔!!あははははっ!!」
恐怖から一気に解放されたことにより、緊張の糸が切れ、ケラケラと大声で笑うゆめ美。笑い過ぎて目尻に涙を溜めている。
「もっと目ん玉出せるよー!ボゥエッ!!」
「きゃははははっ!!苦しい…!顔芸やめてー!!」
言われて、十四松はピタと無表情になる。
「からのーー……———ボゥエッッ!!!!」
「あはははははっっ!!不意打ちずるいっ、ずるいよぉーー!!」
・・・
——抱きしめ合ったまま戯れる二人を見て、五人は呆然と立ち尽くしていた。
「なにあれ?もしかしてあいつが一番の大穴?」
「なんたる横恋慕ーイなんだじゅうしまぁぁあつ!!??」
「おい!その手を離せ!さりげなく何分くっついてんだよ!」
「……神よ」
「ボクらの存在、完全無視だね」
ゆめ美の笑い声は暫く止むことがなかった。
14章へ続く