第12章 恋とニャンコと真心と
「でも最近おかしいんだよ。無理だ、諦めようって思ってるのに、あいつの笑顔が見たくて…毎日…あいつに会いたくて…」
「あいつを……もっと、知りたい——だから」
一松。そうだよ。それが第一歩。
素直な気持ちをゆめ美ちゃんに見せてみなよ。
「いや、やっぱ恐れ多い……じゃなくてどうでもいい…」
「ニャ!?」
あーもーなんでそうなるの?本音を隠すから言いたいことがチグハグだよ!じれったいともだちだ!!
「ニャンニャニャニャン!」
「な、なんだよ急に喋り出して……あ?さっきからニャンニャン言ってるし、もしかしてもう人の言葉話せないの?」
もう一度ニャーと鳴くと、一松は「あっそ」と言ってうなだれた。
「…ケッ、くだらねぇ。何期待してたんだ、おれ…」
がんばって、一松。
大丈夫だから。
きっと二人は、おんなじ気持ちだから。
13章へつづく