第1章 最悪な出会い
眩しい……明るいのは、嫌い。
『……ん、ぅあ? ぁ、れ……ここは』
太陽の光が眩しく私は目を覚ました。
意識があり、痛みも感じる……消されていない。
ふかふかのベッドから起き上がろうとした時、違和感に気づいた。
『これ……っ、何?! っ、外れない』
首輪に手枷、両方鎖で繋がっていて外れる気配が無い。
最悪すぎる、こんなものを着けられるなんて。
一応動けるのは動ける。 鎖の長さが少し長めなのだ。
『昨日の神父か……っ』
ベッドから降りて探す事にした。
まったく……頭は痛いし右の羽はボロボロにされて飛べないし、オマケにこんな物を着けられてしまったとか……何度も言うが最悪だ。
裸足のまま私は廊下に出て匂いを辿って奴を探す。
奴の居場所に近づくにつれだんだん匂いが強くなってきて、勝手に尻尾が動き出してしまう。
きっとお腹空いているから、そう思いたい。
『意外と広い……ってか、ここ教会?』
広間みたいな場所にやって来てしまった。
真っ白で太陽の光が凄く入って来ていて……正直居たくないんだが、その一番奥と言ったらいいのか、昨日の神父が居るのだ。
『…………お、おい。 神父』
恐る恐る声をかけると少し驚いたような表情で振り返った。
なんだよ、その顔。
「あぁ、おはよう。 淫魔さん」
『な、その呼び方は、確かにそうだが止めてよ』
「んー……じゃあ、名前教えてくれます?」
『それは無理』
「……これでも?」
にこやかな笑顔で取り出したのは十字架。
ザワッと血の気が引くのが分かった。
『ま、待て! い、言うからそれは……っ』
近づいてきていた神父は私が慌ててそういうと十字架を仕舞ってくれた。
仕方ない……名乗るしかないのか。