第3章 空腹対処法

『そう言えば、さっきのは何だったの？』





「さっきの？」






『身体が燃えてた……突然すぎて、よく理解出来なかったから』






ふと、私は紅楼の腕に尻尾を巻き付けながら先程の出来事について尋ねる。




紅楼は最後に何か言っていたため、原因を知っているのかもしれない。






「あぁ、あれですか。 ……ただの、天使の悪戯ですよ」






『天使の悪戯？？ 天使が悪戯なんてして良いの……？』






また更に疑問が増える。




というか、あれは悪戯の域を越えていたようにしか思えないのだが。





首を傾げながらも紅楼の話を真面目に聞く。






「時々悪戯好きな天使が来るんですよ。 いつもはそこまで被害の無いような悪戯をするんですが、が悪魔だったから手酷くしたんじゃないですかね？」






『確かに悪魔だけど、好きで居る訳でもないのに……』






「まぁ、あれは少々やり過ぎだとは思い注意はしておきましたから。 こんなにされてしまって……」






そう言って背中の傷に触れられ反射的に紅楼の手を掴む。





背中の傷……いや、他の場所にも幾つか火傷のような痕が残っている。




悪戯のせいだ。




すぐに治るが、少し痛いような気がする。






「痛かった？」






『どっちかというとビックリした。 注意してくれたんならもう心配は無いね』






「まぁ、あと何回かすると相手も止めてくれると思いますよ」






『え、あと何回もこんな悪戯受けなきゃいけないわけ…？』






「今回よりはダメージは少ないと思いますよ？」






『そういう事じゃないっ…！！』






紅楼のズレた発言に頭を抱える私だった。