第3章 私の居場所
「そんな、寂しそうな顔せな。また、遊びにでも来るとええ」
そっか、そうだよね。
また遊びにくればいいんだよね。
…でも、変だよね。
帰りたくないって名残惜しいって思うのは…
お互いまだ全然知らないのに…
「私って変ですよね」
「ん?どして?」
「まだ全然皆さんのこと知らないのに…帰りたくないって、まだいたいって思うのって…変ですよね…?」
「どーやろな?俺は、べつに変ではないと思うで?知らなくても直感でいたいって思うことは誰にでもあることやと思うで?それがダメってこともあらへんし、素直でええことやと思うけどな」
草薙さんは、私の目の前に洋風な朝食プレートを置いて優しく微笑んでくれた。
「まだ、未成年のうちは好き勝手できひんと思うけど親が許してくれはるならまたいつでも来や。ここのやつらはきっと、ちゃんのこと気に入ってると思うしな。少なくとも俺は、ちゃんのこと気に入ってるけどな」
「草薙さん…ありがとうございます」
帰りたくないなんて、そんなこと思わなくても…
また会いに来ればいい。
もっと、ゆっくり時間をかけてみんなと仲良くなりたい。