第3章 私の居場所
あれ?いい匂い…
トントンとリズムよく何かを切ってる音。
心地いいなぁ、、
家にいたら聞こえてこない料理の音。
ん?家にいたら聞こえてこない?じゃあ、ここはどこ?!
夢と現実が交差する中、私は目を覚まし慌てて飛び起きる。
キョロキョロとあたりを見回すと、
そこは見慣れないBARだった。
あ、そうだ…昨日……泊まったんだっけ。
また、夜と朝とでは雰囲気ががらりと変わるBAR。
ただ変わらないのは居心地の良さは変わらない。
「おはようさん、ちゃん」
キッチンで料理をしていた草薙さんに声をかけられ、飛んでいた意識が戻ってきた。
「おはようございます、草薙さん」
「もう、朝ごはんできるからカウンター席にでも座り」
「はい!」
私はほんとに図々しいかもしれない。
助けてもらった上に泊まって、夜ご飯に朝ご飯まで…
あぁ、Tシャツまで借りてしまった。
「なんか、昨日からすいません」
「なんも気にせんで。あ、昼前にはちゃんのこと送ろうと思っとるから」
「あ、ありがとうございます」
そっか。
帰らないといけないのか…なんだか名残惜しいな、、。