第31章 好敵の発破
煙幕が晴れて、やっと2人を見つける事が出来た。
轟君は、フィールド上の氷結の中に立っている。
「「‼︎」」
オタク君は、フィールド出入口近くの壁際に居て…やがて、その体は力を失ったように崩れ落ちた。
ミッドナイト
「緑谷君……場外」
轟
「───…」
ミッドナイト
「轟君…三回戦進出‼︎」
轟君の勝ちか…まぁ、予想通り。
風利
「緑谷君…怪我、あれ…大丈夫なのかな…」
薙景
「気絶するなんてね…どんだけ本気だったんだか」
プロヒーロー席から、オタク君への批評の声が聞こえてくる。
あまり良い評価は聞こえない…
薙景
「…残念だね〜…」
単純な実力とは別にある、オタク君の本当の凄さを、理解したプロヒーローが居ないなんて。
…まぁ、しょーがない事だけど。