第31章 好敵の発破
轟
「何でそこまで…」
緑谷
「震えてるよ、轟君」
折れた指更に酷使するとか無茶するな〜、オタク君。
緑谷
「“個性”だって身体機能の一つだ。君自身、冷気に耐えられる限度があるんだろう…⁉︎で、それって、左側の熱を使えば解決出来るもんなんじゃないのか…………?」
オタク君が、酷使した右手を無理矢理動かす。
緑谷
「………っ‼︎皆…本気でやってる。勝って…目標に近付く為に…っ、一番になる為に!“半分”の力で勝つ⁉︎まだ僕は君に、傷一つつけられちゃいないぞ!」
グッと握って、大声で言い放つ。
緑谷
「──“全力”でかかって来い‼︎」
轟
「何の……つもりだ」
…オタク君は…
薙景
「轟君に……」
轟
「全力…?クソ親父に金でも握らされたか…?」
轟君が、再びオタク君に接近しようと踏み込んだ。
轟
「イラつくな…………!」
直後、オタク君も動き出す。