第30章 友達の激励
あ、私も戻らなきゃ…
私は、踵を返して観覧席の方に向かった。
エンデヴァー
「辰巳…?」
風利
「⁉︎」
え…
振り向くと、エンデヴァーさんと目が合う…目は鋭いけど、驚いてるようにも見える。
エンデヴァー
「いや、すまない。…君は、ピンフィールによく似ているな」
親子なら当然か…と呟いて、エンデヴァーさんはヒーロー用観覧席の方へと去って行った。
オールマイトと同じで、一般には知られてない筈なのに…
風利
「どうして…」
エンデヴァーさんが、母さんの本名を…それも旧姓を、知ってるの…?
あ、でも確か…小さい頃に私も姉さんも、エンデヴァーさんとは会った事がある。
プロヒーロー同士、ライバルでもあったらしいし…母さんとは親しかったのかも知れない。
一人でそう納得して、私は今度こそ観覧席の方へと向かった。
遅くなっちゃったし…周りに人が居ないから、走って戻った。