第27章 姉の一回戦
轟君が、観覧席とは逆の方向に、足速に私を連れて行く。
「来い」って言われたけど、何処に向かってるんだろ…
薙景
「えーと…私、次の試合観たいんだけど(汗」
あ、思い出した、次は飯田君とサポート科の女子の対戦だ…観れそうにないけど。
薙景
「てか、私に何の用で…」
その時、轟君の足が止まった。
右手にある扉を開き、迷わず中に入ってく。
勿論、私も引き込まれる。
ここは…用具室かな…
薙景
「ねぇ、いい加減はな──いっ!」
急に強く腕を引っ張られ、腕に鈍い痛みが走った。
同時に景色が回ったと思えば…
ダンッ
轟君から、背中と掴まれてた腕を、用具室の壁に押し付けられた。
…何事⁉︎