第27章 姉の一回戦
他の蔓に拘束される前に、私はその蔓を強く引っ張った。
塩崎
「きゃ…!」
力負けした塩崎さんが、こちらに引き寄せられる。
そのまま私は…
ドッ
塩崎さんの鳩尾に、今度は拳を打ち込んだ。
塩崎
「ッ…ッ…‼︎」
塩崎さんの体が、糸が切れたように崩れ落ちる。
薙景
「おっと」
私がそれを受け止めると、ミッドナイト先生がこちらに駆け寄って来た。
ミッドナイト先生が、塩崎さんの様子を確認する。
ミッドナイト
「…塩崎さん、戦闘不能!八剣さん、二回戦進出!」
薙景
「よっしゃ」
その後、観客席からの拍手を背に、私はフィールドから出た。
塩崎さんに対して、2回も打ってゴメン…と思いながら。