第17章 ヒーロー志望
八百万
「ご、ごめんなさい…!」
沈黙を破ったのは、百ちゃんだった。
八百万
「薙景さんの心境も考えず、不躾に聞き過ぎましたわ…」
切島
「嫌な事思い出させちまったよな…悪かった、本当にごめん!」
それから、皆が次々と姉さんに謝罪していった。
薙景
「あー、まぁ…こっちこそ、態度悪くてごめんね〜。ちょっと寝不足でイライラしててさ」
冷たさはなくなって、姉さんはいつものようにヘラっと笑った。
薙景
「んじゃ、私は寝ます」
風利
「え、結局寝るの?」
薙景
「寝なきゃやってらんな─」
キーンコーンカーンコーン
風利
「あ、予鈴」
薙景
「Σ………5分でも寝る!」
切島
「寝んのかよ」
切島君のツッコミで、皆に笑いが起き…クラスの空気が軽くなった。