第17章 ヒーロー志望

風利
「姉さん…」


私は、腕を伸ばして、姉さんの体を揺すった。


風利
「やっぱり、姉さんが説明するべきだよ」


薙景
「ヤダ」


風利
「姉さん！」


薙景
「…るっさいなぁ」


姉さんは、体を起こして顔を上げると…


薙景
「いい加減にしてよ」


「「⁉︎」」


鋭く皆を睨んだ。


薙景
「そんなに他人の古傷抉りたいの？」


「「‼︎」」


薙景
「ねぇ、“ヒーロー志望”？」


私も、皆も、言葉を失った。


姉さんのその言葉…冷たい声音と表情に。