第16章 不安と不審
刑事
「取り敢えず、生徒らは教室へ戻って貰おう。直ぐ事情聴取って訳にもいかんだろ」
蛙吹
「刑事さん、相澤先生は…」
梅雨ちゃんに聞かれて、刑事さんは搬送先の病院に電話をかけた。
《両腕粉砕骨折、顔面骨折…幸い脳系の損傷は見受けられません。ただ…眼窩底骨が粉々になってまして…眼に、何かしらの後遺症が残る可能性もあります》
刑事
「だそうだ…」
蛙吹
「ケロ…」
風利
「相澤先生…」
顔や眼を重点的に攻撃されたのかも知れない…先生の“個性”を防ぐ為に。
刑事
「13号の方は、背中から上腕にかけての裂傷が酷いが、命に別状は無し。オールマイトも、同じく命に別状無し。彼に関しては、リカバリーガールの治癒で充分処置可能との事で保健室へ」
麗日
「デク君…」
飯田
「緑谷君と八剣君は…⁉︎」
風利
「!」
私は、一層の緊張を持って刑事さんの次の言葉を待った。
刑事
「ああ、彼らも保健室で間に合うそうだ」
その言葉に、私は胸を撫で下ろした。