第16章 不安と不審
峰田
「助かったぁぁぁぁ!」
両手を上に突き上げて、峰田君が大声で叫んだ。
風利
「助かって良かったけど、怖かったね」
峰田
「怖かったよ‼︎めちゃくちゃ怖かったよ‼︎──あ、そうだ…よし来い!八剣!」
風利
「?」
来い?
峰田
「さあ!」
峰田君が、私に向かって両腕を広げる。
風利
「⁇な、なに?」
いまいち意味が分からないんだけど…
峰田
「こういう時は抱擁だろ!」
風利
「は?」
峰田
「恐怖を和らげる為のアツイ抱擁だろ‼︎」
風利
「…遠慮します」
蛙吹
「意外と元気そうね、峰田ちゃん」